2015-01-01から1年間の記事一覧

花見舟  A boat for cherry-blossom viewing

花見舟 A boat for cherry-blossom viewing 平成十六年四月一七日 十河 智 花衣湊町より舟にのる Dressed for cherry-blossom viewing, boarding on a boat for cherry-blossom viewing and departing from Minatomachi-port 落語家の背高きいっそう長閑 He…

雨を遊ぶ

雨を遊ぶ 知恩院から阿吽坊 平成十五年十一月二九日 十河 智 顔見せの招きや雨の降りしきる 冬浅き祇園のひとの雨の下駄 冬の灯や雨を遊びて祇園まで やはらかき冬の雨降る待ち合はせ 零余子まづ祇園の味と成しにけり 紫蘇の穂やうまき刺身の京料理 風呂吹き…

花の色なる

花の色なる 湖北・海津大崎花見の会 二〇〇五年四月一六日~一七日 十河 智 どつしりと湖北固しや暮れかぬる 満々と花の色なる余呉湖かな 春光や余呉湖の護り賤ヶ岳 お市御寮人 踏青や美し御方奪ひ合ひ 朝明けの湖畔やつくし一握り はかまむくひとときつく…

桜若葉―吉野

桜若葉―吉野 平成十六年四月一八日 十河 智 花衣なれば華ある色をもて 奥千本花散るばかり吉野かな 若葉風眺めの色を塗り替えて 若葉しも吉野の桜その下で 行き会ひし晶子の歌に花月夜 本当に「花は最後」の日曜日 気兼ねなし歩き疲れの汗が良し 西行のぺん…

実むらさき

実むらさき 同窓会髪を染めける秋日和 鰯雲リバーサイドホテルへと 菊の賀に競ふ衣装や姫人形 光君舞ふ姿置く秋の色 秋晴るるいざ清水へ繰りださむ 現世ぞ紅葉に早き成就院 こぼれ萩その色一つ古寺の庭 松手入れ待たるる鶴と言ひがたく 東山連峰を背に天高し…

初桜

初桜 平成一二年三月一八・一九日 春日輪落ち入る様を見尽くしぬ 百年の橋七色に春灯し 朧夜や物語する三人女 ひたぶるに松波低し春の海 若芝や明治は遠くりりしげに 花博の初日に合はせもの芽かな 駒返る草よ始まり始まりと 空調の下ひともとの初桜 春愁や…

恋せしは 歌手 ー 戸川昌子の老い

恋せしは 歌手 ー 戸川昌子の老い 平成十三年三月十七日 十河 智 鳥二羽の世間話を春なかば 恋せしは昔々や春の夢 春昼やその歌手の老いをかしげに このやうに老いよとはいふ雪解かな ぶらんこや背を押すバックミュージシャン 終焉の渋谷とならむ春愁

阪神大震災 1995.1.17 未明のこと

阪神大震災 1995.1.17 未明のこと 十河 智 一 醒まされて …大阪… 醒まされて冬曙や震度四 二度三度揺れ潜り行き深蒲団 テレビへと朝の冷気を切り急ぎ 冬映す画面に一行地震あり 冬茜震源知らぬ不気味かな 蒲団撥ぬ震源淡路子に近き 大地震その隅な…

昔の話ばかりして

俳句六句 昔の話ばかりして "Those are the days." 十河 智 薄衣を羽織り集ひぬ老い来たる An assembly of the old was there , ladies dressed in sheer were there. スピーチに英語を交え夏料理 A speech in Japanese & English. I got you,as I did in th…

成人式、そして震災 = 1995年1月17日前後

今年は、あれから20年ということで、阪神淡路大震災のニュースの扱いが連日で、しかも大きい。 そのとき、娘が神戸で大学生であった。ニュースでも、成人式を迎えたばかりの若い母親が子供を残して犠牲になり、その子が二十才で、今年成人という話や、成人…

いつもの年越し、雪とインフルエンザ

娘一家には、主人の胃がん発見・切除・そして抗がん剤治療と術後の食事での通過障害の克服、人生の一大事、そして孫たちの入学と入園という節目、去年は、それなりに忘れ得ぬ年となった。ひとつずつ乗り越え、ひとつずつこなして、 私たちも寄り添い、よう…