花の色なる

 花の色なる      
      湖北・海津大崎花見の会
             二〇〇五年四月一六日~一七日
                      十河 智

どつしりと湖北固しや暮れかぬる
満々と花の色なる余呉湖かな
春光や余呉湖の護り賤ヶ岳
          お市御寮人
踏青や美し御方奪ひ合ひ
朝明けの湖畔やつくし一握り
はかまむくひとときつくし談議かな
坊や抱く天女伝説柳の芽
野に遊ぶいかにも長き友ならむ
蒲公英を飾る胸元老いてゐず
大崎や若き木若き桜守
          「桜守」水上勉      
人は皆儚くなりし清水(  しょうず)の桜
残雪の比良沖よりは白き浪
竹生島ボートの浮かぶ湖(うみ)の歌
花疲れ大崎寺にて吸入す
湖(うみ)なれば舟より眺む桜道

花の宴ブラッセルより人還る