「御意始末」黄土眠兎編を読みました。
「御意始末」黄土眠兎編を読みました。
2018/12/06
十河智
黄土眠兎さんの句集、「御意」、これについての感想、評論で、結社誌やブログなどに初出のあるものを、集めた小冊子。人によって視点が違い、挙げられる句は、共通する句もあるが、千差万別である。面白い。評する言葉として使われたものを示してみた。
「庶民視線」「季語の配合」「情景の把握力、描写力」「詩として表現として結晶」
…… 藤原龍一郎
「頑張らなくてもいいよ」「あるがまま」「茶目っ気」「突っ込み」
……栗原修二
「編集者である眠兎は『読んでいただいて面白いもの』という魔法のエッセンスを振りかけた。」
……大井さち子
「論客よりも俳句愛好家のおっちゃんの感想こそが相応しい」
「季語と季語以外の措辞と季語の本意とは異なる同じ『匂い』で強固に結びつき、第三の意味を作り出されている。」
「眠兎は匂い付を体感できるのであろう」
「俳句は現代を生きていることを伝える手段」
「俳句を再び生活者が取り返した。」
……天宮風牙
私の共感した記述ばかりを集めようとしただけなのでここいらへんでとめたい。特に天宮風牙さんの言葉が、染み入った。題材の調理の仕方は上手下手があるのだろうが、「現代を生きていることを伝える手段」と言ってくれたことに、感激し、私の俳句も続けられると、後ろ楯を得たようである。匂いづけを心がけねばなるまいが。