2015-06-11 雨を遊ぶ 十河智俳句集 #俳句、川柳 雨を遊ぶ 知恩院から阿吽坊 平成十五年十一月二九日 十河 智 顔見せの招きや雨の降りしきる 冬浅き祇園のひとの雨の下駄 冬の灯や雨を遊びて祇園まで やはらかき冬の雨降る待ち合はせ 零余子まづ祇園の味と成しにけり 紫蘇の穂やうまき刺身の京料理 風呂吹きやからうじて立つかたちにて 大豆挽きて創りし味が新しく 紅葉麩が各所配され京の今 山茶花や老若並び輝きて 嵯峨菊やさぞかし名ある作の壺 上人のお人柄こそ一位の実 打ちたるや雨の残るや竜の玉 提灯の揺れてゆつくり冬に入る