道の駅

 地産地消の変形として、道の駅が多くできている。
 少し遠出したときに、その土地のものを買うために、道の駅によるのは楽しい。
 現住の近畿一円はもちろんのこと、転勤族だった娘一家のおかげで、沖縄で、静岡で、また、主人の勤務先に縁あった金沢や山梨で、生まれ育った四国四県で、それぞれ土地柄の出ている道の駅に出会った。
 知人・友人の中には、後半生を農業で送るという人もいて、その人達は道の駅に出荷する側になるそうである。大々的に作らないが、精魂込めて実った作物を、名入りで道の駅に出すことは、喜びであるという。また、奈良には柿、伊予では蜜柑、今もいで来たように箱のままごそっと置かれている。いかにも素朴で、本物を感じることができる。また、道の駅は、たいていは過疎地にあるため、村おこしの手段として、加工品に創意工夫をこらし、ジュースとか饅頭、佃煮や水煮、酒など珍しく、ご当地限定のものに力を入れている。土地の人々の意気込みが伝わる品々が並べられ、見て回ることが楽しくてたまらない。そこが、同じようでも、高速道路のサービスエリアとは全く違う。
 
      道の駅柿一筋といふ農夫
      やんばるの木下闇なる道の駅
      蜜柑成る山の麓に道の駅