小児日帰り眼科手術

 孫の眼が気になっていた。下の子は成長するにつれ、斜視の兆候が顕著になった。引っ越ししたところであったので、ひととおり落ち着いた頃、ようやく眼科を受診した。上の子も幼稚園の検眼で遠視がきついといわれていた。
 結果、兄は眼鏡の矯正のみでよかったが、弟は手術ということになり、また寝屋川ばあちゃんにお呼びがかかった。幼いので、日帰り手術だが、全身麻酔で行うという。大ごとのようであり、簡単にすむ感じもある。全身麻酔に不安がよぎる。人によるが、麻酔の覚醒時に興奮状態になり、予期せぬ事故が起きることがあるので注意するよういわれた。手術自体は、出血も少なく、痛く無い筈だという。
 手術中は待つしかない。一時間ほどで安静室に帰ってきた。少しずつ覚醒してきたが、間欠的に興奮状態で、大声を上げたり、暴れたりするので、親が全身の力を使って、ベッドから落ちないように押さえつけた。落ち着いてきたとき、手にウルトラマンのフィギュアと団栗をつかませていた。四時間ほど安静にしていたが、朝の手術で、夕方には、家に帰っていた。終わってみれば、平穏無事な一日であった。痛がることもなかった。
 専門医なので、このクリニックには、同じ症状の患者が集まってきている。うちは同じ静岡市内なので通院は楽であったが、かなり遠方からも来ているようであった。医師は、成果は本人がよく判るという。眼鏡はかけた方がよく見えるので、本人からかけるようになるという。経過は、そのようになっていっている。兄は探してかけているし、弟は、かけてやると嫌がらずにそのままである。やってよかった治療である。季節は、もう秋から冬に移っている。
   
     抱く子の日帰り手術秋高し
     団栗や覚醒途上の子を宥め
     痛く無き術式といふ良夜かな