セレネッラ、第13号、を手に入れた。読みました。

 セレネッラ、第13号を手に入れた。読みました。
         2017/9/30
         十河智

 セレネッラ、手にいれる挑戦。どこでもいいのかなと思い、ファミリーマートで、失敗。セブンイレブンで、バイトの子でわからず、オーナーに教わりながら、手にいれました。番号を一度に認識してくれず、やり直したり、評判通りのいい句文集です。絵をゲットして、飾りました。冷蔵庫の扉にマグネットで押さえて毎号換えていくつもりです。
 
「音符」で、フアンになった金子敦さん、一文で懐かしいフォークシンガーを思い出させてくれました。

ワインもう一杯と言ふ生身魂 金子敦
 いい顔色で幸せそうでしょうね。ほどほどに、という声も聞こえます。

ひぐらしや今日の余りのやうな風 金子敦
 今日の余り、この「余り」に味わいを感じます。余分ではなく、おまけというか福というか、今日一日の
総仕上げの幸せなひとときです。

中山奈々さん、ドキっと感、いっぱいの句、ひらがな書きで、薄められている。一文も意表を突く。「みどり」確かにめだつ。

かんしゃくがあるへびあなにはいりけり なかやまなな
 勇気がいる、というより、元気でないと持たない。

なまごみのひのあきちょうのうすむらさき なかやまなな
 暮らしの中なまごみは出る。秋蝶の小さな薄紫に会う。癒しを感じる。

中島葱男さん、動きや景を感じる句、絵が本格的ですごい。

ブルースの火のくすぶれる大文字 中島葱男
 こんな喩えははじめてだった。すぐにほんとだと感じ、ブルースで揺れる火を追っていた。

天高し雲はとっぴんぱらりのぷ 中島葱男
 こんな言い回しもはじめてだが、言ったもの勝ち、そのように思えてくる。風に流れる雲の軽さと剥がれそうな薄っぺらさ、あくまで晴れ渡る秋の天の透明感、そんな感じが伝わる。

土屋竜一さん、句歴八ヶ月長い短いではないようだ。堂々と主張のある句が並ぶ。

閑かなるコロナ秋の陽造りけり 土屋竜一
 太陽から地球まで光線、熱線、紫外線、その他全ての宇宙線、秋の陽は、それを浴びるわたしたち人は、大宇宙から来るものに包まれている。

簑虫や考へごとは幾らでも 土屋竜一
 重い病を身に背負い、簑虫は彼なのかも。さりげなく一般的なものに託し、誰もが思い当たる場面になっている。これこそ俳句、そう思う。

 ちょっと、興奮している。こんな新しい配信の仕方に。