街角英語は必要です。

街角英語は必要です。
       2017/12/25
       十河智

 今、街中英語検定なる検定があるらしい。新聞で告知を見かけたりする。私は、読んだり書いたりには難しくても案外垣根を感じないが、外国に行ったこともなく、普段の生活で自然に英語が出る生活をしたこともない。恥ずかしがりの引っ込み思案の性格も災いして、急に英語を話すのは飛び越える垣根がかなり高い。しかし、この頃の町には道に迷う外国人がいっぱいいるのだ。放って置けない状況が主にバスや電車のなかでよく起きる。
今日は、私の遭遇した、街中英語に関する三題

1 京都嵐山
 友人と嵐山で散策後、バスで京阪三条へ帰ろうとバス停にいた。わいわい騒ぐ集団が隣にいた。中国語のようだ。同じバスに乗った。地図を見ながら、まだ騒いでいる。よくわからなかった。だが、バスには、私たちと彼等、二組だけ。英語を話す人がいるか、声を掛けてみた。一人地図をもって隣に座って、話しかけてきた。京都駅が、目的らしい。バスが違う。地図で、今の場所と、乗っていたバスの行き先、三条京阪、京都駅に印を入れ、バスを降りて、同じ場所で待つように行った。くわしくは忘れたが、あとひとつ停留所を過ぎれば、路線が別れる、そういう位置だった。セーフ❗という感じ。代表格の人がみんなに説明して、降りていった。乗るときに運転手に「京都駅」と言えと言っておいたが、どうなったか、そこまでは付き合えなかった。少し心残りの経験であった。

2 枚方から高槻へ
 高槻へ、枚方市駅駅前から淀川の向こうへ、いろいろと路線バスが出ている。毎月一度の麦笛句会に行くのに、利用するのは、阪急高槻駅行き。乗って、出発を待っていると、若い金髪の女の子、運転手に前の入口で、英語で聞き出した。どうも「JR 高槻駅」に行きたいらしい。同じバス停で、少し待てば、来るバスに乗ればいい。ところが、運転手は、「英語はわからん。」と言う。「もう出発だから降りろ。」、そういうばかり。だが相手に日本語は通じない。聴いていて、私が切羽詰まって、ついに口出さざるを得なくなった。゛Get off this bus, and wait the bus for JR 高槻駅, JR ‼ ゛たったこれだけなのだが、なかなか言えない。女の子は礼を言って降りてくれた。雨がかなり降る日だった。高槻で降りるときには、運転手にも礼を言われた。

3 回送車
 京都へ行くために京阪電車に乗った。生憎なにも考えずに乗ってしまったのが、枚方止め、回送車になる。何回も車内放送している。枚方に着いた。降りようとして、五、六人の一団がじっと座ったままでいる。車掌に促されて降りていた。気になって、次に来るのを待つように言おうと一人に、京都へ行くのかと、声を掛けたら、伏見稲荷という。特急が来ていたので、それには乗るなと教えたかった。リーダーに言ってくれと、英語のわかる人を指差す。次のではなく、急行に乗れと教える。少し離れたところに、私も急行に乗る。伏見稲荷駅で、一団が無事に下車したのを確認して、安堵した。

小寒英語日本語平行線
秋の雨躊躇ひつつの英語かな
うそ寒や小さきことに礼を受け
回送車降りず厚着の中国人
つい英語訛りで「キョウト?」冷える駅
息白し下車して伏見稲荷駅