いざ出雲、旅の最後は春の虹

いざ出雲、旅の最後は春の虹
       2017/3/14・15
       十河智

 高校の古希記念第三の修学旅行として、25人ほどでしたが、高松から、全国から岡山に合流して、出雲大社へ参拝、玉造温泉に一泊、松江を経由して足立美術館、その後岡山から高松帰着の行程でした。真冬並みの寒さのなか、雪や霙も旅の途中ではありましたが、実に幸運にも、全く濡れることなく、合間合間に旅程をこなすことができました。平成の御遷宮という大事業を終えた出雲大社の本殿に幹事のお世話で正式参拝させていただきました。楽しい旅でした。おまけがありました。総社辺りで大きな虹が出ました。皆大喜び、古希の子供ですね。

春眠をやうやう断ちていざ出雲
まずスマホ充電確認春寝覚め
一つまた春着重ねて旅立ちぬ
春暁東寝屋川駅無人
春の朝通勤電車の無表情
三月の駅に早朝人多し
スマホ見る卒業旅行の二人連れ
岡山はたつた二駅朝霞
春野菜五穀400kcal(キロカロリー
活字読むビジネスマンや春の駅
終着駅鹿児島とあり日永かな
山景(やまかげ)は備中路へと遠霞

春うらら誰もわからぬ今の顔
春陽射す備前山中瓦屋根
杉花粉満つ目も鼻もくしゃくしゃす
初蝶の独り舞台や山迫る
奥山の勢ひづきて芽吹くかな
トンネルをいくつか抜けて斑雪
古希の春告知事項は二度三度
歓声の伯耆富士かな別れ雪
裏日本名残の雪に驚きぬ
今日の宿明日の観光春の声
古希ばかり出雲の春にこの元気
春光や二礼四拍一礼し
春天に修理終りし桧皮千木
しじみ汁島根の宿の朝の飯
春の宵舟木一夫の歌ばかり
この春に急死の友に四季の歌
春の宴締めは校歌と三三七拍子
春の闇寝て二次会に行かざりき
春灯や温泉今は独り占め

春北風や堀川巡る小一時間
橋の下伏してぞ舟の春炬燵
春霙宿立つ間際どつときて
庭園の石にも木にも春時雨
バスに乗るまた一瞬の春の雨
霞立つ中国道をひた走る
春の雪中国山地覆ふかな
山降りて麓の町の霞み籠む
晴れ渡る春の青空山陽は
ジグソーの欠片のごと桜の芽
万々歳旅の最後は春の虹