2015-06-28 富士見会 十河智俳句集 #俳句、川柳 富士見会 十河 智 二〇〇二年一一月一六・一七日 冠雪ややさしき富士に内なる火 朝晴れし富士に恥じらふ石蕗の花 冬霞頂淡く富士は高し 放牧の牛の背富士の大枯野 はつきりと牛の白黒枯るる中 裾野引く富士見る窓や冬日和 番犬は規律正しく冬館 宿の子の年数ふなり冬の桐 一番の富士見処と息白し ベゴニアに埋もれ臨死の夢に似る 不思議なる幸福国際花園かな 梟(フクラウ)の獲物獲る眼に見据えられ 寒燈や娘の転機向かへつつ 冬の雲ありやなしやと気遣はれ 寒鯉や宿富士宮一ならむ