2015-06-28 ほたる 十河智俳句集 #俳句、川柳 ほたる 十河 智 蛍追ふ小さき背中や帯の赤 肩車ゆらりゆらりと蛍かな ひいふうみい蛍数へて覚へけり ほうほうとうちは掲げて駈け抜けて 墓標消え蛍の夜となりにけり 蛍火をひとつ掬ひてまた放つ 叢の深き処に蛍の灯 皆濡らす壺庭にあり蛍籠 暗闇を待たうと思ふ蛍籠 昼蛍夢より覚めて現実に 蛍見に阿波の秘境に入りにけり 蛍や平家の隠れ住みし里 川岸を結界として蛍かな 水煙る蛍合戦絵巻かな 蛍舞ふ源氏の君か中将か ほうたるを見ずに暮らしはありにけり 蛍売りあるかなきかの光かな ほうたるの飲む甘き水知らぬ子よ 蛍来い教はりたがる子に歌ふ 我が町の蛍住む池名を問はず