近所へ紅葉狩

近所へ紅葉狩
        2018/11/12
        十河智
 このところの冷え込みで、野山が色づき始めた。京都の河端も幾度に紅葉濃くなっていた。
 昨日は遠くへ行きたくなかったが、紅葉を見たいと、近所の、公園を順にドライブで、見て回ることにした。
 深北緑地公園、打上川緑地公園、大阪府寝屋川公園、駅まで寝屋川沿い、桜が多いが、メタセコイアや、欅、その他の雑木も秋の色が増していて、気分が落ち着いた。天気も良かった。
 土曜日ということを忘れていて、郵便局で投稿用の小為替を買おうと、車を降ろして貰って、一人駅近くの公園までそぞろ歩きをした。郵便局まで行って、土曜日とわかり、前の公園のベンチでバスを待った。
 ちょうど三時ごろで、天気もよく、子供たちが集まってきていた。親が連れた赤ちゃんや幼児から自転車に乗る小学生たち、サッカーやバスケットのボールを持った、中高生。この頃、これほどたくさん子供をみるのは、学校以外ではあまりなく、興味津々で見入ってしまった。
 落葉が散って、少し風があり、あちこちに吹き溜まっていた。大体五年生くらいの女の子が、まずなにかをやり始め、年下の子が次々と真似る。落葉を掻き集めては、紙吹雪のように舞い上げて降らす。欅の落葉はちょうどよく舞い上がるのだ。そのうちに、その辺の子供たちが、一斉に、掛け声を掛けて、何十回と繰り返して、落葉の降るなかで跳び跳ねて喜んでいる。幼児もそれなりに頑張ってそうする。目に入って泣く子がいると、皆が寄ってきて、宥める。
 また、大きい女の子が、自転車に満杯に落葉を詰め始めた。順に子供たちが、見倣って、自分の自転車かごに詰め込むという意味がわからないことをしていた。それもとても面白そうに。そして、自転車にのって、公園を回って、戻ってくる。何故か郵便配達人になっているようだった。「ゆうびーん」と叫びながら、お手紙葉っぱを投げ込んでいる。よくもまあ、落葉ひとつでこれだけ遊べると感心して見ていた。
 夕暮れてきた。ほんの小一時間だったが、子供たちの元気とアイデアが、退屈せず、待ち時間をつぶせた。
 若い恋人どうしとおぼしき二人が、次のこの場所の主人公のようだった。

近隣の公園までを紅葉狩
自転車のかごいつぱいの落葉かな
掛け声の「いっせいのーで」落葉舞ふ
郵便でーす落葉郵便配達人
カラコロと落葉転がるペーブメント
恋を語る若者が来て落葉道
バスを待つ間落葉の公園は