地震、震度三

地震、震度三
        2018/08/29
        十河智
 花、というより、庭の草を活けていた。野分きの様子を草であらわしたいと。
 月に二回ほど、季語を題として、フェイスブックのカバーに生花を挙げるようにしている。もう2年になる
 少し涼しい一日が終わりかけていた。
 草を抜こうと庭に降りたときには、猛暑の昨日やその前の大雨の一日には鳴かなかった虫の声が結構大きくなっていた。
 露草を低く垂れるように少し高めの花器に裏も見せながら、二本、三本ずつ、挿していたとき、ゴトンと音はないが、沈んだ感じがあった。その体感を認識する間と次に横揺れがあって、地震と気づく時間差が一致した。ほぼ同時にスマホから地震速報。見ると、震度三だったようだ。数分後、震度の分布地図、この地震は、うちの辺りが震源で、震度三が最高だったらしい。
 近くのもと店舗にいた夫から電話があった。夫は二階にいたせいか、もっとひどい揺れを感じたようだった。
 何事もなかったが、感じかたは大きい地震だった。先の地震のやはり余震なのだろうか。
 今年は天変地異が、大きな被害にはならないが、我が身にも降りかかる。私の寿命より地球、日本の国土の寿命の方が気になりはじめた。
 「野分き跡」と題して、庭の草を活け終わる頃、主人が帰ってきた。スマホから、寝屋川に豪雨注意の情報が何度も入り、15分ほど、集中豪雨となった音を聞いていた。フェイスブックに写真を挙げた。
 家さえ残れば、何事も変わらない暮らし。一寸先はわからない、そうも思う。
 
《無季の句ができた。このままにしておこう。》

ゴトン一呼吸置きゆつくり揺れる地震
スマホより地震速報のち大雨予報
強き縦揺れ震源近き地震
大阪北部京都南部震度三
夜一瞬予報通りの雨が降る