ドンキホーテ店頭で爆発、ブラックボックス的化学薬品

ドンキホーテ店頭で爆発、ブラックボックス的化学薬品
       2019/05/03
       十河智
 つい最近の新聞記事に大きくないが、ドンキホーテ店頭で有機溶剤の殺虫剤スプレー缶の爆発事故が報じられた。
 扱いなれた大量に出入りある商品として、このところの気候条件もあったのだろうが、あまりにも扱いが無防備の過ぎる。
 ずっと気になっていることがある。
危険性の認識が薄れてきた背景に、有機溶剤を商品化して、用途により商品名をつけて売るのが、一般的になり、本名、危険物と認知できる、成分名が見えなくなってきているのではないか。
 アセトン、シンナー、トルエン、といった有機溶剤は、若者の吸引乱用を防ぐという理由で、その名前を表に出しては、売らなくなった。しかし、全く使われなくなったわけではない。他の清掃用、消毒用資材にも、実質は、取扱注意の化合物であるのに、庭や台所の隅に、置かれたままになっている。もちろん注意書は書いてある。成分名も、注意書も虫眼鏡が必要なほどの小さな字で。
 規制は大量にに扱わない時は、外されることが多く、このように小さな危険があちこちにばらまかれている一方で、薬物事件に使われるという理由で、安全な生理食塩水もその名では売ることができない。コンタクトレンズ保存液となる。
 化学物質の本性を日常品から覚えたり、興味を持つということに、鈍感になり、使用に際して、注意を払わなくなる気がする。「塗料薄め液」「マニキュア除光液」「バス●●●」「キッチン●●●」「トイレ●●●」おなじ用途のものをならべて保管し、混ぜてはいけないものを混ぜてしまったりして事故が起きる。ネーミングによる魔法にかかってしまうのだ。このブラックボックス化した製品化、商品化の過程を、どうにかしなくては、いざ、社会に出て、生産者側に立つ人材さえも失われていくかもしれない。日本が物作り日本でありつづけられ無いかもしれない。
 ドンキホーテの店頭でのスプレー缶から、つい大げさな心配をしてしまった。
 本当のことをできるだけ多くの人が知っておく方が安全というのは、こんなところでも言える。ネットが正しい知識を広めてくれるとは限らないが、すぐ調べられる利点に期待もしている。