句帖を拾ふ(2018年1月)

句帖を拾ふ(2018年1月)
      2017/12/03
      十河智

1
十二月赤と緑と白きもの
December ;
The town filled with things in red, green and white colors

ケーキ屋の椅子の背にゐるサンタクロース
The sweets and coffee shop; Santa Clauses are on each back of chairs

クリスマスソング師走の問屋街 
A market street in December;
Cristmas songs in the air

十二月の街の感じは、師走というよりクリスマス

2
少し葉の残る冬木の桜かな
A cherry tree in winter ;
With sparse leaves on it

くるくると枯葉見飽きぬ日暮かな
Around and around at twilight;
I never get tired of looking at dancing dead leaves

吹き溜る落葉や明日は月の満つ
Drifts of dead leaves here and there ;
The moon will be full tomorrow

3
梨ケーキ和梨と書かれ違和覚ゆ 
A cake made of japanese pear;
an odd expression , "wa-nashi ", that means japanese- japanese pear

高松にかなり有名なパティシエのケーキ屋がある。ここの和三盆ロールが大好きで、よく大阪に帰る前に寄って、土産にする。外国からもケーキ職人になりたい弟子が集まるようで、店も後方の工場も行く度に大きくなっている。隣が買収されて、今年は駐車場が倍の広さになっていた。二階はお茶ができるし、香川で昔から売っていたような駄菓子、おんまい(美味しいもの)、も置く、気に入りの店である。
 いつものように、喫茶へ行った。ケーキを選ぶためにショーケースを眺めていて、「和梨のケーキ」が、すんなり脳に入ってこなかった。何?「和梨?」
今回、句を英訳するのに和英辞典を調べた。
 梨 japanese pear
 西洋梨 pear
日本語も英語も被ってはいない。やはりあの表示は変だった。

4
散る紅葉一木よりを掃き溜めて
winter leaves from a maple tree;
falling and swept in a red heap

5
寒き朝駅によさこいこども連
だんだんに近づく冬日モノレール
ニフレルの駅にありけり冬着の子
冬紅葉根元催テントかな
太陽の塔の高さや冬紅葉
サッカーの終る時間か冬の蟻
夕寒し駅カフエ探すコンセント

句会で、すこし前に、大阪の万博記念公園の吟行をした行き帰りの風景。句帖に残っていました。

5
暇だったら、読んでください。今月の未発表句です。

椋鳥の群れるを見上ぐ冬の月
二本杉片はれ枯れてありにけり
山茶花や垣根に赤白疎らなる
冬紅葉山の陰影深きかな
燃料の切れ北風に漂着す
冬陽射す剪り口白き街路樹に
広葉樹研究林の冬紅葉
冬木今伐採さ中二上山

6
踏み台に孫手作りの注連飾る 

A sacred straw ornament made by grandson's hand;
A stepstool to hang

皆様、よいお年をお迎えください。
I wish you a happy new year❗

7
初御空富士の裾野にすくと育つ
The sky of the first day of the year ;
Pray to grow up well at the foot of Mt.Fuji
 
平素の疎遠をお詫びし皆様方のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
私たち夫婦もおかげさまで元気に近くの名所旧跡、道の駅などドライブ、散策で時間を潰しつつ、あっという間の一年でした。時には孫たちに会いに静岡へ参ります。

8
正月や雲ぽつかりと陽に平和 智
The New Year;
Clouds floating peaceful in the sun Tomoko

元旦に、移動したのですが、とてもいいお天気でした。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

9
平成の変はる年なり年賀状  十河智
New Year's cards;
This year,the name of an imperial era, "Heisei" changes  Tomoko Sogo