現代俳句協会創立70周年記念特大号

現代俳句協会創立70周年記念特大号
       2017/11/09
    十河智

 ポストに分厚い封筒が届いていた。
 現代俳句協会創立70周年記念特大号。どの記事も深く読みごたえがあった。
 現代俳句協会には、自分の句の表記や題材が、句会の方々との間にずれがあると感じて悩んでいたとき、あなたの俳句の傾向はここが向いていると寝屋川にお住まいの縁ある方が紹介してくださった。勤めていた病院の前の、病院にも出入りの印屋さんで、山田由紀子さん。桂信子さんに教えを受けた方。お店に自作の句を短冊にして、季節ごとに書き換え、披露しておられた。俳句に惹かれて、お話をするようになった。もう二十年近く前のこと、いつの間にか、お店も代替わりして、移転していた。お年を召して、表に出られなくなり、その方ともう長くお会いできてはないが、会員の投稿欄で、お名前を見つけて、ほっと安心をする。
 協会の歴史に比べれば、短い私の句歴でも、この記念号のなかには、重なる思い出も多く、感慨深い。特に、作家論の中の「鷹」の方たち。特別寄稿の「世界はなぜ俳句を求めるのか」、これは、俳句を拡げようという論点とは違う、俳句の表現法が世界中の人に、現代に、必要なものとされているという視点で書かれているのです。特集の金子兜太先生がお元気そうで嬉しい。記念号だけあって、掲載作品も光っている。
 ただ、残念だったのは、「私の一句」に覚えがなく、募集の月号を見ると、投稿葉書が残っている。見逃してしまったようだ。八十歳代のところを見て探す。
 
 骨壺に花冷の膝ぬくもりぬ 山田由紀子

 あった。安心はしたが、何か身近にご不幸を感じさせる句。どうぞお元気でと祈る。

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