台風の前に、叡福寺、聖徳太子のお寺

 台風の前に、叡福寺、聖徳太子のお寺へ
       2017/10/23
       十河智


 皆様のところ、台風の被害はなかったでしょうか。すごい雨と風でした。いまは青空で風が少々きつめですが、一晩中家を揺らしていました。近辺では、川の氾濫や土砂崩れもあったようで、警報などは解除されても、注意は必要と何度も言っていました。
 私も、年に一度の友人との女子旅行が、目的地が台風メッカの和歌山県白浜温泉だったので、前々日、急遽取り止めになりました。幹事がチケットも買ってくれていたのですが、もよりのJR の駅で、無効の手続きをして、旅行会社に行けば、このような時は、返金してくれると言うので、私も東寝屋川駅で手続きし、幹事に郵送しました。JR片町線も、台風で遅れもあるようで、事務室の駅員さんがいません。どこも大変そうでした。センターから連絡してもらい、やっと完了。
 台風の前からの秋の雨、二、三日前のそんな日、やはり出掛けたくなって、いつも行く゛道の駅ふたかみパーク当麻゛を少し方向違えして、FBお友だちの浅田洋さんに教えていただいた太子町叡福寺に行くことにした。篠突く雨にこれから向かう山は霧が立っていた。途中、丸亀製麺に寄る。丸亀製麺はどの方向へ行くときも、道筋にある。叡福寺までの少し狭い道に入る。太子町、落ち着いた聖徳太子の町、寺と墓陵をお護りしてきた町の閑雅な雰囲気が良い。奈良、大阪のこの辺には、田舎でありつつ、歴史の重みを背に優雅な町の佇まいをもつところが多い。
 調った閑静なお寺だった。雨の中、休憩中の作業員たちも静か。銅鑼の小さいものが、お参りのときの鈴のように吊られ、鳴らすと低い音が雨に吸われていった。後で調べると、饒(にょう)、と言うらしい。本堂の裏に聖徳太子墓所がすこし見える。境内は小砂利を敷き詰めていて水が溜まっていても歩きやすく、階段も低めで登り降りが楽だった。
 帰りは、峠を越えて、穴虫の交叉点からいつも通る道に入った。景色も見慣れているほうが安心できる。
 
 雨の叡福寺

台風のまだ来ぬうちの遠出かな
霧立つや峰に麓に幾重にも
色変へぬ松叡福寺南大門
叡福寺階優し秋の雨
秋霖に砂利踏む音や潦
漆の実寺の石段そろりそろり
桜紅葉散り山門に色少し
台風の備へか寺の男たち
太子町太子の墓に秋黴雨
傘置きぬ秋冷に打つ饒の音
薄紅葉登りのきつき穴虫峠
見慣れたる道に安堵の秋の色