弟君の入学式

 弟君の入学式
     2017/4/7 十河智

四月七日は、孫たちの、午前入学式、午後が始業式であった。生憎のかなりの雨が、新入学の弟には可哀想であった。大騒ぎして兄の方だけ残し、親子で出掛けた。入学式が終り帰宅、入れ替わりに兄が学校へ。
 貰ってきた新しい教科書に母親が名前を入れてやるのだが、最初の文字を漢字で書き出し、二画目で気付く。一年生はひらがななのだ。どうするか見ていると、車のイラストに変化して行く。さすが二人目、素直に感心した。担任は兄も受け持った先生らしく、弟君と呼び掛けてくれたと言う。
 そのうちに兄の方も帰ってきた。どうも担任は若い先生らしい、母親が苦笑する。先生にも成長する過程は必要だろうが、親には親の評価が行き渡っているようだ。学校がすべてではなく、家庭で補えば済むこととわかってはいるのだろうが。
 そして、毎日の通学の安全確保にそれぞれに意味を持つというリボンなど新学年用に用意されたものを指定の位置に装着、すべて完了した。一年生は緊張の疲れから昼寝中であった。

入学の朝自覚無き一年生
春驟雨初めて濡らすランドセル
校庭の桜三分に散らす雨
担任は兄の先生入学日
入学すひらがなで書く名前かな
担任の名に苦笑あり新四年
新学年リボンワッペン名札着け