老境
老境
一 準備
三 宴
白尽くすセンターは百合香を放ち
黙祷す黄泉の友立つ五月闇
夏の夜の老境語る二分ずつ
鱧尽くし寿司酢の物に田麩まで
二次会へロビーにトルコキキヤウかな
ビール残る酒量の落ちし宴かな
黙祷す黄泉の友立つ五月闇
夏の夜の老境語る二分ずつ
鱧尽くし寿司酢の物に田麩まで
二次会へロビーにトルコキキヤウかな
ビール残る酒量の落ちし宴かな
四 余
熱海より運ぶ温泉缶サイダー
半世紀時は一様花氷
梅雨湿り十一枚目の千円札
片陰や下宿そこだけ元のまま
宝塚見し後買ひぬ夏の服
半世紀時は一様花氷
梅雨湿り十一枚目の千円札
片陰や下宿そこだけ元のまま
宝塚見し後買ひぬ夏の服
五 直前
夏帽子保津川と宇治行きはバス
さやうならまたさやうなら梅雨の朝
梅雨寒の朝駅名は東山
なにかしら緑垢抜け山科区
梅雨曇港に鐘が鳴り続く
夏霧や銅鑼打ち遅れ出航す
梅雨晴間琵琶湖周航歌の流れ
船遊び油断大敵などクイズ
近江富士比良比叡見て夏館
夏の濤降り立つ一歩揺れにけり
茂るままありイングリッシュガーデンは
カミツレの花よく匂ふハーブ園
あぢさゐのむらさきの濃し雨止みぬ
足元にビオラその先柏葉あぢさゐ
靄掛かる薔薇の名評定限(きり)も無し
薔薇咲ける園やここにはバラ王子
既に散り既に朽ちたり白き薔薇
夏料理びわ湖大津館より琵琶湖
さざ波と遊ぶ椋鳥夏の湖
菱浮くや隊組むヨット帆を上げて
三井寺や万緑に望遠レンズ向け
浜大津ここで散会鵜がひとつ
さやうならまたさやうなら梅雨の朝
梅雨寒の朝駅名は東山
なにかしら緑垢抜け山科区
梅雨曇港に鐘が鳴り続く
夏霧や銅鑼打ち遅れ出航す
梅雨晴間琵琶湖周航歌の流れ
船遊び油断大敵などクイズ
近江富士比良比叡見て夏館
夏の濤降り立つ一歩揺れにけり
茂るままありイングリッシュガーデンは
カミツレの花よく匂ふハーブ園
あぢさゐのむらさきの濃し雨止みぬ
足元にビオラその先柏葉あぢさゐ
靄掛かる薔薇の名評定限(きり)も無し
薔薇咲ける園やここにはバラ王子
既に散り既に朽ちたり白き薔薇
夏料理びわ湖大津館より琵琶湖
さざ波と遊ぶ椋鳥夏の湖
菱浮くや隊組むヨット帆を上げて
三井寺や万緑に望遠レンズ向け
浜大津ここで散会鵜がひとつ