たまの仕事

 たまの仕事
      2017/6/8
十河智
昨日は梅雨入りしたらしく朝から雨。予定は二つ。午前に、大阪ガスから法定点検、九時から十二時としか投げ込みのお知らせには書かれていない。朝は、夜更かしの年寄りは、苦手、だが待つしかないので、待つことにした。なかなか来ない。最近は、本を読まずに、スマホが時間潰しツールである。それでも十一時を過ぎると、午後からの予定を考えて、昼をどうしようとか、いろいろと焦ってくる。この頃の宅配便で配達の時間指定や再配達が話題だが、待つ方のことを考えたいいシステムだと全く関係のない話が思い浮かぶ。
 十一時半にインターホンが鳴った。問題なく正午までには終わったが、お昼御飯は、出掛ける時間がない。有り合わせのえのきとあげを炊き合わす。ごま豆腐もあった。簡単に昼を済ませて、午後からの予定の準備。
 午後からは小学校に給食室の衛生検査に行く。給食室の一番綺麗な状態の時、洗った後の食器に残留物がないか、まな板、包丁に大腸菌群の付着がないか、の検査を行う。また給食室の衛生管理に問題はないかの調査を表に従い確認する。そのために午後二時半くらいに開始なのである。大腸菌群の検査の寒天培地は、直ぐに薬剤師会の孵卵噐に入れに行く。 担当校は、山の上にある、四條畷と背中合わせの寝屋川の端の端、薬剤師会は三キロ近く離れている。運転できるということで、私が担当している。学校薬剤師になる日は、気を若くして、ゆとりを持って行動できるよう、心がけている。運転も検査も気が張るし、慎重さが要求される、子供たちや先生の活気に揉まれる。
 薬剤師会に行くと、前日の結果を見ていた人たちが、コロニーが出たと騒いでいる。近年は給食はセンター方式、学校のでの調理はとても少なく、こんなことは希なことであった。私も検体を見せてもらう。確かに包丁の柄の部分に、その学校では二本とも陽性が出ていた。乾燥の熱のかけ方が不充分なのか、検査直前に持ってきた人の手指が原因なのだろう。担当者は報告用に今の状態を絵にしていた。希にしかないが、地道に、継続的に検査して、注意を喚起することは大事だと改めて思う。

洗ひ場はビーチサンダルビニルエプロン
天井に今は使はぬ扇風機
給食室湿度80%梅雨の入り
ラクション一つ蜘蛛の子散らしけり
黴の宿孵卵噐前の大騒ぎ
コロニーは五個梅雨ごろの寒天培地